東日本大震災という未曾有の災害により、防災の意識が高まっています。
そこで一人暮らしの人を対象にした防災方法をまとめたいと思います。
これは私が見聞きしたことを元にしております。素人のひとつの意見としてご覧ください。
東日本大震災の被害と復旧状況
まずは東日本大震災を例にして、被害と復旧状況をまとめたいと思います。
- 地震の規模
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2011/03/11 14:46
宮城県牡鹿半島の東南東沖130kmの海底を震源として発生。
日本における観測史上最大のマグニチュード9.0を記録。
宮城県栗原市で最大震度7を観測し、激しい揺れは2分間続いた。
震源域は岩手県沖から茨城県沖までの南北約500km、東西約200kmの広範囲に及んだ2011/04/07 23:32
宮城県沖を震源とするM7.1、最大震度6強の余震2011/04/11 17:16
福島県浜通りを震源とするM7.0、最大震度6弱の余震 - 電気
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2011/03/11(地震当日)
東京電力318万戸、東北電力440万戸(推定)が停電(2011/03/11最終 経済産業省)2011/03/18(地震から1週間後)
東京電力3千戸、東北電力32万戸が停電(2011/03/18 経済産業省)2011/03/19(地震から8日後)
東京電力の停電解消、東北電力26万戸が停電(2011/03/19 経済産業省)2011/03/25(地震から2週間後)
東北電力20万戸が停電(2011/03/25 経済産業省)2011/04/06(地震から27日後 余震前)
東北電力16万戸が停電(2011/04/07 経済産業省) - 都市ガス
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2011/03/11(地震当日)
少なくとも41万戸が供給停止(2011/03/11最終 経済産業省)2011/03/18(地震から1週間後)
約42万戸が供給停止(2011/03/18 経済産業省)2011/03/22
仙台市ガス局は約36万戸が未復旧。23日から順次供給を開始。1カ月~1カ月半で復旧を目指す(2011/03/22 毎日新聞)2011/03/25(地震から2週間後)
約35万戸が供給停止(2011/03/26 経済産業省)2011/04/06(地震から27日後 余震前)
約16万戸が供給停止(2011/04/07 経済産業省) - プロパンガス
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2011/03/11(地震当日)
ガス漏れ発生で1320戸供給停止。その他情報把握中(2011/03/11最終 経済産業省)2011/03/18(地震から1週間後)
約1万6千戸が供給停止(2011/03/18 経済産業省)2011/03/25(地震から2週間後)
約1万5千戸が供給停止(2011/03/26 経済産業省)2011/04/06(地震から27日後 余震前)
約1600戸が供給停止(2011/04/07 経済産業省) - 水道
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2011/03/13(地震から2日後)
14県で少なくとも140万世帯で断水。(2011/03/14 厚生労働省)2011/03/18(地震から1週間後)
11県で少なくとも94万世帯で断水。復旧総数は91万世帯(2011/03/18 厚生労働省)2011/03/25(地震から2週間後)
10県で少なくとも64万世帯で断水。復旧総数は145万世帯(2011/03/25 厚生労働省)2011/04/07(地震から27日後 余震前)
8県で少なくとも15万世帯で断水。復旧総数は201万世帯(2011/04/07 厚生労働省)
復旧が遅れているのは津波の被害にあった地域が多いようです。
一人暮らしの被災
一人暮らしの人で防災対策をしている人は意外と少ないのではないでしょうか。
家族や子供がいるのと違い、自分一人ですから大げさな準備は必要ないと思っていたり、学生さんだと日々の生活費で手一杯で防災対策に回す金銭の余裕がないという人もいるかもしれません。
一人暮らしで被災した人に聞いたところ、被災して困ったのは携帯電話(当時)の充電、トイレ、ガソリン(車を所持している場合)だそうです。
一人暮らしの場合は、住んでいる建物が無事ならなんとかなるそうで、これら以外は「不便だけど自分一人が我慢すればいいだけだからどうにかなる」とのこと。
それでもできるなら最低限の防災準備はしておいた方がよいそうです。
携帯電話の充電が切れて困った理由ですが、学校や職場からの連絡(明日休みかどうかなど)を受けることができない事が非常に困るとのこと。
交通機関も止まり、ガソリン不足や道路の陥没で車も思うように使えないので、「職場に顔を出す」程度すら難しくなるそうです。
固定電話という手もありますが、固定電話は停電時には使えない場合があります。
ご利用できる可能性があるもの
・公衆電話
・アナログ電話(商用電源を使用しない電話機でご利用の場合)ご利用できないもの
・光回線を使用した電話
・ADSL回線を使用した電話
・CATV回線を使用した電話
・ISDN
・アナログ電話(商用電源を使用する電話機でご利用の場合)
電気
東日本大震災のときは東京電力管内では8日ですべて復旧しています。
被害が大きかった東北電力管内でも、1週間で1/10程度に停電は減り、この時点で津波の被害がなかった地域の停電はかなり少なくなったものと思われます。
ですが、復旧した後も再停電に備えて懐中電灯や乾電池を買い求める人が増え、長期に渡り品不足となりました。Amazonなどでも乾電池が異常な高値で売られていたことを覚えている人も多いと思います。特に単1電池の品薄が目立ち、単1、単2、単3の順で市場から消えたように感じます。
電気は比較的早めに復旧する可能性が高いと思われます。
ですから、普段から使い捨ての電池ではなく、エネループなどの充電式の電池を多めに買い置きし、電気復旧までの数日を乗り切れるようにしておけば、あとは自宅で電池を充電できますので、電池不足に困る必要がなくなります。
コツは、普段から電池を使う電化製品はできるだけ単3電池に統一すること。
電池の大きさを揃えておくと普段の買い置きにも便利ですし、災害時に時計の電池を抜いて懐中電灯に使うなどの使い回しが可能です。
また、単3電池なら スペーサー を利用することで、非常時には単1電池や単2電池にも流用できるので利用の幅が広がります。
電池のほかでは、ソーラーチャージャーを搭載したモバイルバッテリーがあると便利かもしれません。
ソーラーパネルを搭載しているため、太陽光で充電することができます。
あわせて、電気がなくてもスマホを充電できる手段を用意しておきましょう。
一般的なものは、電池式充電器やモバイルバッテリーだと思います。
灯り
灯りは必須です。
一人暮らしならば懐中電灯だけでもなんとかしのげますが、ランタンがあると部屋全体を照らしてくれるので便利です。
懐中電灯やランタンは嵩張るものでもないので、万が一のために両方備えておくとよいと思います。
購入の際は電池のサイズや必要な本数を確認してから購入しましょう。
電池タイプのほか、ソーラー充電ができるタイプやUSB充電ができるタイプもあります。
食べ物・水
家族で住んでいる場合と違い、一人暮らしだとわざわざ非常食や水を買い置きしている人は少ないと思います。
また、買い置きをしていても気が付けば賞味期限切れ、というのもよくある話です。
一人暮らしの場合は、非常食と意識して買い置きをするより、普段から食品を多少買い置きをしておくクセをつけていた方が合理的です。
トイレ
東日本大震災の時、水は一週間で約半数が復旧しました。
飲用水も困りますが、トイレの水が流せないのが非常に困ります。
夏場は特に臭気や衛生面の問題もあるため、我慢すれば良いというわけにもいきません。
一人暮らしでもある程度の備えはしておいた方がよいでしょう。
ガス
都市ガスは、営業区内にガス管を張り巡らせガスを供給します。そのため災害時には、復旧には時間がかかります。
東日本大震災のとき、被害の大きかった仙台の都市ガスは、地震後すべて供給を停止し、津波の被害がなかった地域でも復旧には1ヶ月近くかかりました。
対してプロパンガスは個別に設置しているため、問題がなければ地震当日から使えたそうです。
ガスと聞くと料理を真っ先に思い浮かべますが、お風呂にもガスは使います(給湯がガスの場合)。
ちなみにお風呂は、電気、ガス、水道すべてのライフラインを使ったシステムです。被災してしばらくは入浴は無理なので、タオルで体を拭く程度になります。
対策をするなら、カセットコンロが一般的でしょうか。
また、電気は早めに復旧する可能性が高いので、電気調理器を用意するのも良いかもしれません。
例えば電気ケトルなら普段から使用している人も多いと思いますが、お湯はカップ麺や体拭き用など被災時にも活躍します。
簡単な料理やご飯が炊ける電子レンジ調理器も普段から使えるので無駄にならずオススメです。
ラジオ
情報の受信ツールとしてラジオは持っていたほうがいいです。
テレビは見られない、新聞もこない、ネットもつながらない、道路状態も悪く交通機関もストップしたので外出もままならない状況です。まして一人暮らしの人はご近所づきあいもほとんどない人が多いでしょうから、ご近所に聞くということもできません。
そうなると情報を得る方法が必要になります。
真っ先に思いつくのはスマホですが、スマホは電池の節約のため通話やメール、ラインなど外部との連絡手段として残しておき、災害状況などの情報受信ツールは別に確保しておくのが良いと思います。
非常時用に、手回しで充電できたり、ライトやUSB充電、SOSアラートなどの機能がついた防災ラジオもありますので、自身の生活にあわせた一台を用意しておきましょう。